学校保健委員会

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10/10(木)【保健委員会】第4回学校保健委員会「心の健康教室」3

 

 ※この記事は「心の健康教室」2の続きです。

 

~講演~

 本日のお話は、「セルフケアとストレス管理」がテーマです。中学生の時期は心身の成長期であり、多くの生徒が環境の変化や部活、勉強、人間関係などでストレスを感じています。この時期に自己分析を通じてセルフケアを習得することが重要です。

 

〇ストレスとは何か

 ストレスは、心身に過剰な負荷がかかることで生じる歪みを指します。ストレスの原因となる出来事を「ストレッサー」、それに対する心と体の反応を「ストレス反応」と呼びます。日常生活において、天候や人間関係、学業など、さまざまなストレッサーが存在します。ストレスは避けることができません。ストレスに対処するためには、セルフケアが不可欠です。

〇ストレスの分類

ストレスは以下の三つのタイプに分類されます。

 物理的ストレッサー:気温の変化や騒音など外的要因によるもの。
 化学的ストレッサー:タバコやアルコールなどの化学物質による刺激。
 心理社会的ストレッサー:人間関係や学業など、日常生活に関わるもの。

また、ストレス反応は次の四つのカテゴリーに分けられます:

 認知反応:頭に浮かぶ考えやイメージ(例:「失敗したらどうしよう」)。
 気分・感情反応:不安やイライラなどの心の反応。
 身体反応:頭痛や胃痛、息苦しさなどの体に現れる反応。
 行動反応:泣く、怒る、逃げ出すなどの行動として現れる反応。

 

〇セルフケアの重要性

 ストレスは避けられないため、自己の性格や行動パターンを理解し、適切にセルフケアを行うことが大切です。セルフケアができていないと、将来的に心身に不調をきたす可能性があります。反対に、無意識にセルフケアができている人は、そのメカニズムを意識化し、さらに強化することが大切です。

 

〇心理カウンセリングに関する文化的視点
 アメリカでは心理カウンセリングの利用率が30~40%で、日本は約6%と大きな差があります。日本では、心の病と診断された人や、不調を感じた後に受診する傾向が強いです。アメリカやイギリスでは、カウンセリングを受けることが日常的で、歯科医の受診と同様の感覚で行われています。アメリカの大統領や著名なアーティストも日常的にカウンセリングを受けており、メンタルケアが文化として根付いています。日本でも、心の健康を維持するために定期的にカウンセリングを受け、予防的にケアする意識を高められると、早期発見・早期解決につながります。

 

〇コーピングについて

コーピングとは、様々なストレスに対して適切な対処を意図的に行っていくことをいいます。

 認知的コーピング:頭の中で考えたり、イメージしたりすること。嫌な事があっても、「気にしない」とか、失敗したときに「次、頑張ろう」とか、考え方を変えてみたり、自分を褒めてみたりすること。

 行動的コーピング:具体的な行動を伴うこと。スポーツで発散する、大声で怒鳴ってみる、だらだらする等。

認知的コーピングや行動的コーピングを意識して、自分だけのコーピングレパートリーを増やしていきましょう。大体50個から100個くらいあるといいといわれています。

 

 ★講演の際、生徒の考えを表示したり、アンケートを実施するツールとして「Padlet」を使用しました。リアルタイムで生徒の意見を確認し、講演内容に反映することができました。ステージの裏ではICT支援員の小木様が操作をしてくださりました。

 

~体験活動~

 本会に参加する前に、パソコンを使用した事前ワークで「エゴグラム」という心理検査を用いて、質問に答えてもらいました。自分の性格傾向を客観的に把握できるものです。エゴグラムは、5つの性格タイプ(厳しい親、優しい親、合理的な大人、自由な子供、順応した子供)に基づいており、それぞれが自己理解を深めるための指標として活用することができます。

  

 

 ~生徒・教職員感想~ 

〔生徒〕

・小学校の頃にも心の健康教室はあったのですが、ストレスについての説明だけでした。でも今回の学校保健委員会ではパッドレット(PC)を使って意見を集計したり、自分の分析を見れたりしてとても面白かったです。保健委員の運営もスムーズに進行されていたり、発表の声がはっきりとよく聞こえてきたので内容が頭にスッと入ってきました。

・スクールカウンセラーさんの貴重なお話を聞くことができて良かったです。小学校でもスクールカウンセラーさんに関する手紙は度々配られていましたが、なんとなく近寄りがたい雰囲気と自分にはあまり関係ないかな。と思っていました。しかしいざ悩みや相談したいことができた時にスクールカウンセラーさんの存在はとてもありがたいものだなと感じました。保健委員会の進行も前回は2年生が中心に動いていた印象でしたが、今回は1年生保健委員だけで運営ということで、先輩たちにも劣らない活躍ぶりだったと思います。ありがとうございました。

・心の不安定について学校で習ったことはあっても、ストレスやコーピングについてなど、詳しく講義をして頂いたことはなかったです。今回の会で自己理解に繋がったと思いました。自分自身で心をコントロールするのも若干難しい時期ではあると思うので、なるべく多くストレス発散法を持っておきたいと思った。また、なるべく相談して自分から自分の状態を発信できるようになりたいと思いました。

・コーピングとして、自分は音楽を聴くことを多く行っていました。しかし、それはスマホやCDがないとできないコーピングであり、今回質より量ということを学んだので、音楽を聴く以外に自分なりのコーピングを調べたり、見つけていきたいです。体験活動ではエゴグラムで自分の内なる性格がわかり、自分を見つめることができてとても楽しかったです。また周りと話し合う時間があったことで、自分の周りの人のことを知れてよい機会でした。

・エゴグラムで、私という人間を再確認できたので、私の特性を活かしてこれからの学校生活を充実させていこうと思いました。ストレスとの向き合い方やストレスを解消する方法もわかりました。今後の学校生活がもっと楽しくなりそうです。

 

〔教職員〕

・アメリカと日本の心理カウンセリングの利用率比較のところが印象的でした。日本は心の病になったら行くというイメージですが、アメリカは予防のために自己管理として行くことが多いそうで驚きました。自分なりのコーピングを増やしながら、これからもストレスとうまく付き合っていきたいと思います。「ストレスは人生のスパイスだ」という言葉を、私も誰かに伝えたいなと思いました。保健委員さん、スムーズな運営や素敵な発表ありがとうございました。講師の先生方の紹介がクスッと笑えて、親近感を感じながら話を聞くことができました。

・悩みがたまり始めたであろう1年生のこの時期にこのテーマ(ストレスや悩みについて)学ぶことはタイムリーに感じました。教師からではなく講師から学ぶのは良いことだと思いました。

・スクールカウンセラーさんのお話が穏やかでわかりやすく、生徒が自分自身と向き合える時間になったように思います。保健委員の話し方もとても上手でした。

 

-お礼-

 今回は生徒・教職員・講師で実施する学校保健委員会でした。このHPを通してご報告とさせていただきます。今後も実施の様子をこのホームページに掲載しますので、ご覧いただけたらと思います。日頃から学校保健活動のご理解・ご協力ありがとうございます。

 

 

 

10/10(木)【保健委員会】第4回学校保健委員会「心の健康教室」2

 

 ※この記事は「心の健康教室」1の続きです。

 

~生徒保健委員の発表~ 本校の心の健康について

 

1. 心の健康状態についての調査結果

 3期生と4期生に対して、健康やストレスに関するアンケート調査を実施しました。3期生のデータは1年生の時に実施したデータを使用しました。

 健康の自己評価では4期生の方が元気と答えた人が多く、特に10段階中10点の最高評価をつけた生徒が12人以上いました。しかし、一方で0点の元気がないと答えた生徒もいるのは心配です。平均では4期生が3期生を上回っており、全体的には4期生の方が元気な傾向にあります。

 

 

2. 日常生活の楽しさ

「毎日楽しいですか?」という質問に対して、4期生の回答には、楽しさをあまり感じることができていない生徒もいました。また、最高評価の10点をつける生徒も少なかったです。3期生よりも平均値が低く、4期生の生活満足度に心配が残る状態でした。

 

3. ストレスレベルの状況

 4期生は健康面では元気な一方、ストレスに関してはばらつきがあることが判明しました。ストレスレベルが非常に高い生徒がいる一方で、ほとんどストレスを感じない生徒も多く、平均的には4期生の方が3期生よりもストレスを抱えているということがわかりました。

 

 

4. 相談傾向と対応策

 ストレス対策として、4期生は主に同級生に相談する傾向が強く、大人や先生に相談するケースが少ないことがわかりました。身近な大人に相談することや、相談室の利用も手段の一つとして考え、誰でもよいので相談することがストレスを軽減するのに有効です。

 

 

5. 4期生が不安に感じていること

 4期生が「不安に感じていること」として、勉強と人間関係と答える人が多かったです。3期生と比較して、人間関係に悩む生徒がやや多いものの、全体的には3・4期生ともに似たような悩みを抱える傾向があるとわかりました。

 

 

6. 心の健康と成長の考え方

 心の健康についての保健委員のアドバイスとして、筋肉痛を例に挙げます。筋肉に痛みが発生しても、それは太く、大きく成長します。心も「失敗」や「悩み考える」ことが経験・成長につながると言えると思います。「失敗は成功のもと」ということです。心がマイナスの方向に働いたときは成長の一環として捉え、まわりに支えらながら、頼りながら少しずつ前へ進んでいくことが大切です。

 

 

7. 相談室の活用方法

 どんな小さな悩みでも気軽に相談できることが大切です。事前予約を行うことでスクールカウンセラーや相談員からカウンセリングを受けることができます。家族や友人関係、学業に関する悩みなどなんでも対応可能です。早めの相談が大切です。曜日によって相談室の開室時間は異なりますが、9:30~15:30頃まで相談にのってくださります。

 

 

この学校保健委員会の続きは

 10/10(木)【保健委員会】第4回学校保健委員会「心の健康教室」3

をご覧ください。

 

 

 

10/10(木)【保健委員会】第4回学校保健委員会「心の健康教室」1

 

 10月10日(木)4・5限に 第4回学校保健委員会「心の健康教室」を開催しました。対象学年は1年生です。講師として本校 スクールカウンセラー田中 綾子様、本校 ICT支援員小木 敦也様の2名にお越しいただきました。生徒・教職員と一緒にICTを活用しながら、心の健康について考える時間としました。今回も生徒保健委員(1年生)が事前の企画・準備を行い、生徒の力で学校保健委員会を運営しました

 

~講師紹介~

 保健委員が事前にこの学校保健委員会の講師・サポーターをしてくださる方にインタビューをしました。その際にお聞きしたことをもとに講師紹介を行いました。

(インタビュー中の写真です↓)

 

〇スクールカウンセラー 田中綾子さんの紹介

 本日は、本校スクールカウンセラーである田中綾子さんをお迎えしています。田中さんはとても話しかけやすく、親しみやすい方です。

  好きな食べ物:ハンバーグ
  好きな本:ミステリー系の読み切り
  好きな漫画・アニメ:『ヒメちゃんのリボン』『ハンターハンター』『ナルト』


 田中さんは、生徒や保護者とのコミュニケーションを大切にし、カウンセリング活動を行ってくださっています。何か困った際は、気軽に相談できる存在です。

 

 

〇ICT支援員 小木敦也さんの紹介

 本会では、本校のICT支援員である小木敦也さんにもご協力いただきます。普段から本校の教職員や生徒のPC活用のサポートを担当され、パソコン操作やパソコン技術のアドバイスをしてくださっています。この会では「Padlet(パドレット)」の操作方法を教えていただく予定です。

  好きなアプリ:Padlet →授業で意見交換の際に使用するアプリで、全員の意見を一度に把握できるから。
  好きな食べ物:サードバーガーのハンバーガー
  好きなアニメ:『ハンターハンター』


 小木さんも明るくフレンドリーな方で、技術サポートだけでなく、楽しくお話もしてくれる方です。パソコン技術に関する質問があれば、ぜひ声を掛けてみてください。

 

 

 講師紹介原稿と発表スライドを生徒が準備し参加者に向けて発表したことで、会場は笑顔あふれる、あったかい雰囲気に包まれました。

 

 

この学校保健委員会の続きは

 10/10(木)【保健委員会】第4回学校保健委員会「心の健康教室」2

をご覧ください。

 

 

 

10/08(月)【保健委員会】第3回学校保健委員会「薬物乱用防止教室」3

 

 ※この記事は「薬物乱用防止教室」2の続きです。

 

 

 

~参加者感想~

〔生徒〕

・薬物は遠い存在だと思っていましたが、身近だと感じ改めて意識しないといけないと思いました。たった一度の使用で、薬をやめた後までもくるってしまうということを知り、薬物に人生を左右されないように元気に過ごしていきたいと思いました。闇バイトや手軽に痩せますなどのネット情報は信じてしまいそうになりますが、都合がよい話はないということを意識していきたいです。なぜこの好条件が成立しているのかをしっかり確認し、判断していきたいと思いました。

・薬物乱用教室は小学校でも開催していましたが、保護者の意見を聞く機会があったのは初めてで、貴重な経験でした。体験活動では、附属中ならではの教材(オリジナル動画)を視聴できて、怪しいサイトや動画の典型的な例を知り、身近なところに危険があることを体験できました。

・空港などでこの荷物を預かっていてくれと言われて預かったものに違法薬物が入っていたら、自分が違法薬物とかかわっていることになってしまうため、細心の注意を払いたいと思った。また、見たことがないものや、知らなかったものには、警戒心をもって手を出さないようにしたいです。

・脳が受けた損傷はもう戻ることはないので、薬物は本当に恐ろしいものだと感じた。とても高価な薬物を買うために、強盗や犯罪に手を染めてしまうと、家族や周りの人にも迷惑になったり日常生活を送ることができなくってしまうので、結局は自分のことだけでなく相手のことを考えることが一番大切だと考えました。

・金銭欲、物欲がもしかしたら薬物へつながるかもしれないとわかり、インターネットの使い方、自己判断の基準をもう一度見直したほうがよいと思った。また、大麻所持の逮捕者が増えていると言っていたが、ばれずにやっている人はもっといると思うため、薬物の恐ろしさ、都合のよい話への向き合い方も正しく理解してもしものときに備えていきたい。

・今まで薬物は自分とは全くと言っていいほど無縁なものだと考えていたが、それは間違いだということが分かりました。特に、異国の地で仲良くなった人に、「これ預かってて」と言われて渡されたものが薬物で、結果死刑になるという話は、私たちにも起こりうるかもしれないと思いました。

・周りの友達から誘われたりインターネットから始めてしまうということを聞いて意外と身近なことだと感じたので、自分には関係ないと思うのではなく気を付けなければいけないと思いました。友達から誘われることもあるということなので、普段から嫌なことなどをはっきり断ることが出来るような信頼できる関係を築いていくことが大切だと思いました。

・中学生は思春期真っ最中ということもあり、それぞれがいろいろな悩みを抱えていると思います。気持ちが沈んでいて判断力が鈍っているときが一番巻き込まれやすいと思うので、自分も気を付け、周りの人のことも気遣えるようになりたいです。

・薬物や犯罪というのは自分に関係のないもので、怪しい情報商材や謎の健康グッズに騙されるような人間はいてしょうがないと考えていました。今回の体験学習を通して、そういった口車に乗せられてしまう人の心理が少しだけわかったような気がします。これからはもっといろいろなことに「自分は関係ないから」と思わず、関心を持っていきたいと思った。

 

〔教職員〕

・体験活動のリアルな動画を見て、正直 心の中で「買いたい!手にしたい!」と思ってしまった人もいるのではないかと思います。附属中生は勉強も部活動もすごく頑張っており、すごく疲れちゃうと思うけれど「でも頑張りたい!」という気持ちもとても強いです。そのような葛藤が生まれた時に、甘い言葉についのってしまいたくなる感情抱いてしまうことが多いと思います。頑張っていれば頑張っているほどです。私たち教職員ができることはなにかと考えた時、「たくさんお話を聞くこと」「身近なお友達にお話を聞いてもらえるように推奨する」「一人きりにならないようにする」ことだと思いました。なので、皆さんは一人きりにならないでください。自分一人で考えて答えを出そうと思わないでください。みんなのことを思ってくれる人は周りにいます。周りの大人や友達を頼ってください。

 

 

〔保護者〕

・娘が部活動から帰ってくると「つかれた~」と言って、すぐベッドに横になってしまうことがあったり、勉強が終わった後も「眠くなった~」と言って夕方から朝まで寝てしまうことがあったりします。勉強や部活動を頑張っているがゆえに魅力的に聞こえてしまう動画等の情報に手を染めてしまう、知らないところで動画をみてしまうこともあるかもしれないと心配になりました。闇バイトもニュース等で見ていて、遠い存在だと思っていましたがしっかり断ることや正しい知識をつけることが普段の生活を送る上でも意識することが大切だと感じました。体験活動の動画もリアルな内容で、楽しく正しく学ぶ機会となりました。

・体験活動の動画を見て、薬物が遠い存在ではなく、「疲れない」とか「眠くならない」など、部活や勉強を頑張っているからこそ子供達が甘い言葉にのってしまわないか恐怖さえ感じました。決して子供達を信用していない訳ではなく、心配するのは親の仕事と思っているので、嫌われても煙たがられてもコミュニケーションをとって悩み事を打ち明けられる関係を作って行きたいと思っています。しかし、親の気持ちが空回りしてしまうことがあったり、子供が年齢的に親に反抗的な態度を取って何も話してくれないこともありますので、先生方の「1人にはしないからいつでも相談に来て下さい」の一言がとても心強かったです。これからもよろしくお願いいたします。

 

 

~指導講評~ 学校薬剤師より

 医師から処方された薬や薬局で購入した薬は違法薬物ではありません。しかし、「お母さんの薬を飲んじゃえ!」と飲んでしまったり、病院からもらった咳止めの薬が効かないから「少し多めに飲んでしまえ!」と飲んでしまったりすることなどはオーバードーズになってしまいます。ニュースなどで聞くようなオーバードーズでなくても、このような身近でやってしまいそうになるようなこともオーバードーズに該当します。定められた目的以外の飲み方や量を守らないのもオーバードーズです。心にとめておいてください。オーバードーズをやる人は友達がいないとか、承認されない子がやる人が多いです。附属中生は勉強も部活動も一生懸命頑張る生徒ですが、未来の自分も心をしっかり、強くもって生活していってほしいです。

 

 

 

-お礼-

 今回の学校保健委員会は平日のお昼でご都合がつきにくい中、保護者にもご参加いただき、有意義な会となりました。本校は保護者参加の学校保健委員会は年間2回を予定しており、今年度は保護者参加可能な会はこの会を持ちまして終了いたしました。今後も生徒保健委員会を中心に力を入れて運営していきますので、今回ご参加が難しかった保護者の皆様も、来年度の学校保健委員会をぜひ楽しみにお待ちください。今年度は生徒・教職員・講師で実施する学校保健委員会は残り2回あります。HPを通してご報告いたしますので、実施の様子をご覧いただけたらと思います。ご協力ありがとうございました。

 

 

10/08(月)【保健委員会】第3回学校保健委員会「薬物乱用防止教室」2

 

※この記事は「薬物乱用防止教室」1の続きです。

 

~体験活動~ 保健委員生徒による運営で実施

 本校職員が作成した動画(インフルエンサーによる商品紹介動画)を参加者全員で視聴しました。

 

 

 私たちはネット通信を当たり前に使用する環境下で生活しており、YouTuberやインフルエンサーからの情報、XやInstagramなどから、自分の関心の高いジャンルの情報や広告などを自然と目にする機会が多いです。Webサイトの閲覧履歴や行動履歴などを元に興味関心を推測し、広告や動画配信を表示されることが多いと思います。

ネット通信から故意なく、認識しないうちに薬物や犯罪に巻き込まれるケースもあります。日頃見聞きする情報を鵜吞みにせず、事前に調べたり、冷静になって判断したりしないといけない場面があります。

 そこで参加者の皆さんに以下の視点で考えてもらいました。

 

 

〔生徒〕※一部 感想文より

・自分が欲しい、購入したいと思ったらまず両親に相談します。買ってよいものなのかを確認します。

・自分だったらドラッグストアに行って似ている商品があるかを確認します。どのような効果があるのかもしっかり確認します。信頼できるところで似たような効果のあるものを検討したいと思いました。

・その商品について、別のサイト等で売られているかを確認します。口コミなどを見て、良い評価の口コミではなく、悪い評価の口コミをしっかり見てどのようなものなのかを把握したいと思います。

・好きなYoutuberが紹介しているからといって、すぐリンクを押す(購入する)のではなくしっかり調べます。どんな効果があるのか、どんな成分があるのかよく確認してから買うようにしたいと思いました。

・ゲームの広告なども今回見た動画のようなものがたくさん流れてくることがあるので、サイトを開かないようにしっかり注意したいです。

 

 

 

〔保護者〕※一部 感想文より

・動画を見て、商品の具体的な情報が全くないと感じました。海外で有名なもので認可されていると言っていたが、インフルエンサーが話している情報が本当に正しいのか一つ一つ調べて確認します。どういった成分がどのように作用するのかも確認します。

・名前や見た目では違法薬物とわからないようになっているため、騙されないように気をつけようという意識が高まりました。宣伝・広告も上手い言葉を信じず、情報の記載や調べることを重視して、自らも家族も危険から守っていきたいです。違法薬物の身体への影響が一時的でなく続くものと知り、より怖さを感じました。いろんな情報を目にする機会が多い世の中なので、子供が一人で判断せずに相談できる環境を大事にしていきたいです。

・小学生の次男がラップ、ヒップホップが好きでよくネットで調べたり聴いたりしているのですが、ラップバトルなどで頻繁に薬の話題が出てくるので気にはなっています。本人の興味があるものを止めさせる気はありませんが、その延長線上に、広告や誘いが出てくる可能性がある事があるかもしれないとわかったので、しっかり対策をしようと思いました。

・体験活動はとても身近な事として捉えることのできる設定で、自分ならどう行動するかを主体的に考える事ができるような工夫が凝らされていて、大変素晴らしかったです。

 

〔埼玉県警非行防止指導班「あおぞら」職員〕

・実際にYouTube等でこのような宣伝動画は出てきます。簡単にできる、痩せるなど、そんなうまい話はあるわけがないです。闇バイトもそうです。そんな簡単に稼げるうまい話はありません。「うまい話はない」それだけはこれからの人生、絶対忘れないでください。

 

この学校保健委員会の続きは

 10/08(月)【保健委員会】第3回学校保健委員会「薬物乱用防止教室」3

をご覧ください。

 

 

10/08(月)【保健委員会】第3回学校保健委員会「薬物乱用防止教室」1

 

 10月8日(火)13:00から 第3回学校保健委員会「薬物乱用防止教室」を開催しました。講師として埼玉県警非行防止指導班「あおぞら」の職員2名、指導助言者として本校学校薬剤師の金子裕子先生にお越しいただきました。生徒・保護者・教職員・地域の専門家の方々と一緒に薬物乱用に関する正しい知識や最新の情報を学び、体験活動を通して考えを共有する時を持つことができました。今回も生徒保健委員が事前の企画・準備を行い、生徒の力で学校保健委員会を運営しました。

 

 

~ご講演内容〔一部抜粋〕~ 埼玉県警非行防止指導班「あおぞら」より

 

〇薬物乱用とは?

薬物乱用は2つの形態で定義されています。

 1.医薬品を正しい使い方から逸脱して使用すること

 2.法律で禁止されている薬物を使用すること

いずれも健康に重大な悪影響を及ぼす行為です。特に若年層は発育段階にあるため、薬物やアルコール、タバコによる影響が深刻になります。

 

〇飲酒・喫煙と薬物乱用の関連性

 飲酒や喫煙は薬物乱用の入り口と呼ばれることがあり、これらを若年時に始めることで、より強い刺激を求めるようになり、違法薬物に手を出すリスクが高まります。日本では飲酒・喫煙の合法年齢は20歳ですが、18歳で成人となることから、誤解している人も少なくありません。正確な情報を理解し、リスクを避けることが重要です。

 

 

〇違法薬物の危険性

 覚醒剤や大麻などの違法薬物に関与することは犯罪です。使用だけでなく、所持、購入、運搬も法律違反となり、世界各国で厳しい罰則が設けられています。中には死刑を適用する国もあり、海外での旅行や滞在時には特に注意が必要です。

 

 

〇危険なアルバイトと犯罪への関与

 近年、若者が高額な報酬に引かれて危険なアルバイトに手を出し、犯罪に巻き込まれる事例が増えています。条件が良すぎるアルバイトの募集は、実は違法な活動に誘導される可能性が高いです。反社会的組織は個人情報を悪用し、逃げ道をふさぐ手口を使います。自分や周囲の人が巻き込まれる前に、疑わしい誘いは断る勇気を持つことが求められます。

 

〇最後に

 薬物や危険な誘いに対しては、日頃から「断る力」を養い、少しでも怪しいと感じたら、早めに信頼できる大人に相談することが大切です。正しい生活態度を維持することが、危険から身を守る最も効果的な手段です。

 

 

この学校保健委員会の続きは

 10/08(月)【保健委員会】第3回学校保健委員会「薬物乱用防止教室」2

をご覧ください。

 

 

07/18(木)【保健委員会】第1回学校保健委員会「食育教室(全学年)」

 

 7月18日(木)1・2時間目の時間に 第1回学校保健委員会「食育教室」を開催しました。講師は今年で3年目となります 埼玉大学教育学部准教授  西尾 尚美 先生です。生徒・保護者からも教職員からも毎年好評で、附属中学校に今必要な栄養に関する情報や知識を的確に楽しくお話してくださりました。食育と歯・口の健康は密接な関わりがあることから、指導・助言者として、本校学校歯科医 渡辺 聡 様をお招きしました。今回も生徒保健委員が事前の企画・準備を行い、生徒の力で学校保健委員会を運営しました。

 

〇埼玉大学教育学部学校保健学講座 准教授 西尾 尚美 先生

 免疫学を専門とされており、医学部での研究を経て、予防医学の観点から栄養学の重要性を認識されました。そのため、管理栄養士の資格も取得され、現在は免疫学と栄養学の両方の点から研究を行っていらっしゃいます。

 

~生徒保健委員の発表内容~〔一部抜粋〕

  附属中学校における健康課題とその対策について報告しました。健康課題には昼食時の栄養バランスの偏り、低体重(やせ)、昼休みの歯みがき習慣の欠如があります。これらの問題に対し、生徒保健委員会は食育と歯科の取り組みを行いました。

 健康課題と現状

〇栄養バランスの偏り

約90%の生徒がビタミンA、鉄、ビタミンD、カルシウムの摂取不足。
特に昼食に自動販売機のみの食品で済ます人は栄養の偏りが見られる。


〇低体重の問題

学年が進むにつれて体重が減少する傾向がある。
むし歯は0名だが、昼休みに歯みがきをする生徒は少数である。

 

健康課題解決に向けての保健委員の取組み

★食育の取組み

〇食育授業

・1年生の保健委員が栄養バランスの重要性について、クラスごとに授業を行った。
・4つのグループ別れて担当するメニューに足りない栄養素を補う料理(+ONEおかず)を考え、発表をした。

 ※取り組み様子はこちら→ https://kawaguchicity-jh.ed.jp/blogs/blog_entries/view/136/2d6c8678bf7766cbad53f7558b00aa92?frame_id=282

〇+ONE調理実習

・栄養バランスを意識したメニュー「さば汁」を作り、昼食時の+ONEおかずとして食べた。
・食育授業で学んだことを実践し、自分たちで調理を行った。
・栄養を補うために必要な基本的な調理技術を学ぶ機会となった。

 ※取り組み様子はこちら→https://kawaguchicity-jh.ed.jp/blogs/blog_entries/view/136/a8e59bbd85d2f5d31fe18cfba9a34159?frame_id=282

〇+ONEおかずプロジェクト

・+ONEおかずを昼食時に持参し、栄養を補う取り組みを全校生徒で実施した。
・1年生は果物、2年生はサラダ、3年生はスープジャーを利用する傾向だった。

 

★歯科に関する取組み

〇歯みがき習慣の現状

・1年生は75%が昼食後に歯みがきを実施している。
・学年が上がるにつれて歯みがき率が低下している。
・保健委員主催の歯みがきプロジェクトを全校生徒で実施し、歯みがきをする意欲づけの機会とした。


〇ポスターと標語の作成

・各学年の生徒が歯の健康に関するポスターと標語を作成した。
・2年生の生徒が歯と口の健康に関する標語コンクールにおいて、川口市で優秀賞(市長賞)を受賞した。

 

今後の課題

・プロジェクト実施中は頑張る傾向にあるが、プロジェクト後も継続し続けることができていないという課題がある。
・健康を保つためには継続して取り組むことが重要であり、保護者の協力も必須である。

 

+ONEおかず・歯みがきプロジェクトの結果

・アンケート集計の結果、1年3組が優勝しました。おめでとうございます!

 ※取り組み様子はこちら→ https://kawaguchicity-jh.ed.jp/blogs/blog_entries/view/136/3dd84a1f5d20f079d979481a75f5c91e?frame_id=282

 

 保健委員会は引き続き、附属中生の健康維持と改善のサポートに力を入れて取り組んでいきます。ご協力ありがとうございました。

 

 

~西尾尚美先生のご講演内容~〔一部抜粋〕 

〇川口市立高等学校附属中学校の栄養調査結果について

 令和4年度、令和5年度の2年間、附属中の生徒を対象に37種類の栄養素について調査を実施し、その中から特に重要な12種類の栄養素に絞って、個別にフィードバックを行いました(主要な栄養素 エネルギー、炭水化物、不飽和脂肪酸、鉄分、カルシウムなど)。

 

〇附属中の傾向(健康課題)

炭水化物: 不足しており、菓子パンやおやつに頼る傾向があります。

脂肪: 全体の脂質摂取量は適切ですが、不飽和脂肪酸が不足し、健康に悪影響を及ぼす脂肪酸が過剰です。

野菜の摂取: 非常に少なく、要改善です。

カルシウムと鉄分: 意識して摂取していますが、依然として不足しています。

 

 〇附属中学校生徒の改善状況について

 調査開始から2年間で、附属中学校の食育に関する充実した取組により、いくつかの栄養素については改善が見られましたが、全体的には依然として基準値に達していない状況です。

〇食事の重要性について

 厚生労働省が定める「日本人食事摂取基準」に基づき、中学生のエネルギー摂取量は成人よりも多く必要です。保護者と同じ量の食事量では足りていないということです。成長期においては、バランスの取れた食事がとても重要です。

 食事のバランスガイドは、食事の量と種類を視覚的に示したもので、適切な栄養摂取について知ることができます。具体例として、2000キロカロリーの食事例の写真を提示していますが、中学生にはさらに多くのカロリーが必要です。

 〇消化と吸収

 食べ物は消化され、栄養素が体内に吸収される過程で、副交感神経がリラックスした状態であることが重要です。緊張状態では消化液の分泌が妨げられ、効率的な消化吸収ができません。

〇腸内細菌の役割

 腸内細菌は私たちの健康維持に重要な役割を果たしており、食物繊維を摂取することで腸内環境を整えることができます。

 

〇全体を通しての西尾先生のアドバイス

 リラックスした状態で食事を楽しむことが、消化吸収を助け、栄養を効果的に取り入れるために重要です。食後すぐの激しい運動は避け、リラックスした状態で消化を促進することが推奨されます。日々の食事は健康の基盤を築くものであり、適切な栄養摂取と食事環境が重要です。成長期の中学生には特に注意が必要であり、保護者の方々の協力が求められます。

 

 

~体験活動(親子で栄養アドバイザーになろう)~

 埼玉大学大学院生の学生3名が内容を考え、説明をしてくださりました。Aさん、Bさん、Cさんの事例の中で1つ選び、どのようなアドバイスをするかを親子や周りの生徒同士で考えました。最後に代表者に発表してもらい、考えた内容を全体で共有しました。

 

 

 

 ~学校歯科医指導・助言(歯と口と食に関するミニ講演)~〔一部抜粋〕

・附属中学校はう歯の処置率が4年連続100%を保つことができている。埼玉県平均は74.4%である中、素晴らしい結果を残すことができている。継続してもらいたい。

・しかし、CO(むし歯になり始めそうな歯)と言われた生徒が多く、油断してはならない。進行しないようにブラッシングを丁寧に行い、歯と口の健康管理してもらいたい。

・マスクをしていても鼻呼吸をすることを意識してもらいたい。あごマスクをしてしまうと、矯正で使用する顎間ゴムと同じくらいの負荷があごや歯にかかってしまうことがあるので、食事をするときはしっかり外して食事をして欲しい。

 

~保健委員長の言葉~〔一部抜粋〕

 学校保健委員会は貴重な機会であると思っています。生徒・保護者・先生・講師の方々の全員で健康課題について共通理解し、一緒になって改善していくためのものです。全学年の生徒がそろっていて、保護者も参加する保健委員会は年に数回しか機会がないので、今後もぜひ積極的に参加してもらいたいと思っています。ご協力よろしくお願いします。

 

~参加者感想~

〔生徒〕

・保健委員会の皆さんの発表は、データをもとに私たちの生活について詳しく説明をしていてくれて、説得力がありました。西尾先生のご講演では専門的な話を聞くことができ、私たち目線からの質問にも丁寧に答えてくださり、有意義な時間になりました。体験活動では、今まで習ったことをもとに足りない栄養素、補った食事を考えることができました。学校保健委員会全体を通して、自分健康について考えることができたのではないかと思います。

・私は、朝と夜の歯みがきは夏休みになっても絶対に取り組み、昼の歯みがきも意識していきたいです。

・西尾先生のご講演は、難しい研究やよくわからないデータというのが無くて、中学生の私たちにもとてもわかりやすかったです。夏休みに食生活が乱れそうなので、改善して意識した良い食生活ができるようにしたいと思いました。

・最近足をつりやすいのはカルシウム・ミネラル不足だと気付くことができたので、牛乳を飲んだり海藻を食べたりして栄養を補っていきたい。朝起きて光を浴び朝食をとることで体内時計がリセットされるということを知ったので、朝起きたらカーテンを開けてしっかり日光を浴び、時間が無くても朝食をとるようにしたい。よく寝ることで成長ホルモンが分泌され、背が伸びるということは知っていたが、睡眠時間が多すぎてもよくないということは初めて知ったので、適切な睡眠時間で良い睡眠をとれるようにしたいと思った。

・保健委員として準備・運営をしました。ハードスケジュールの中の準備は大変でしたが、やはり最後は達成感が残ります。発表のスクリーンを見る目が保護者も生徒も真剣で、舞台袖から見ていてとても嬉しかったです。

・保健委員として1年生の食育授業を運営しましたが、クラスで行った食育授業とは違い、全校生徒と保護者が対象の学校保健委員会だったのでとても緊張しました。けれど、結果、大きなミスもなく成功することができてよかったです。発表して終わりではなく、それをどう実践してどう継続するかについて、しっかりと考え、取り組んでいきたいと思います。

 

〔保護者〕

・3年間すべて「食育教室」に参加しましたが、西尾先生の講演の内容が充実していっており、非常に聞きやすく面白かったです。保健委員の運営や発表も充実していて素晴らしかったです。

・西尾先生のご講演は初めてお聞きしましたが、大変興味深くためになりました。子供が食育の影響を受けているのか、一時期は僕に足りない栄養素が沢山入っている「〇〇〇〇(タンパク質商品。ここでは掲載を控えます。)」ばかり食べていました。子供には「大人のようなコレステロールや脂質のとりすぎは考えなくて良い」というのも初耳でした。子供は少食の傾向があるので、本人の好むものを多めに食卓にのせるようにしたいと思いました。

・ファストフードを食べたら次の食事で調整したり、色味で食材を決めたらだいたいバランス良い等と考えれば、今から始めるには取り組みやすいと思いました。「バランスを考えなくちゃ!」と囚われすぎず、ストレスなく継続も出来そうです。

・自分の食べている物で身体はできているという当たり前の事ではありますが、食事の内容も食事を摂る環境や食べる時間も仕事が忙しくておざなりになってしまっていたなと反省しました。せめて夕飯だけでも、家族全員で学校での出来事などを聞きながら楽しくゆっくり食べたいなと思いました。

・保健委員の生徒たちは時間が限られている中、アンケートを実施し分析して、課題を把握するところまでできていて、さすがだなと思いました。

・身体も歯も健康を損なってからその価値に気づくのではなく、今ある健康という幸福を守っていく為に食事や歯みがきの大切さを子ども達自身が学び、考え、実行していく機会があってありがたいと思いました。また、家族の食事作りを担っている私(保護者)も、改めて日々の食事を見直していこうと思いました。子ども達と一緒に楽しく学べる機会を設けていただき、ありがとうございました。

 

〔学校歯科医〕

・保健委員のクラスごとの昼食時やアンケート集計など発表準備の活動も積極的で、取り組みについての発表も分かりやすく素晴らしかった。西尾先生のお食事の内容やソウルフードのお話が、とても身近に感じられました。短時間での体験活動にもかかわらず、みなさん的確に食事のアドバイスが考えられていて、なるほどっと思うだけでなく、さすがだなと感じました。

 

-お礼-

 今回の学校保健委員会でもたくさんの保護者にご参加いただき、有意義な会となりました。今後も生徒保健委員会を中心に力を入れて運営していきますので、今回ご参加が難しかった保護者の皆様も、ぜひ次回の学校保健委員会を楽しみにお待ちください。ご協力ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

07/18(木)【保健委員会】第2回学校保健委員会「中高合同救急法講習会(2年保健委員+部活動代表者)」

 

 本校の特色の1つとして、高校生と一緒の敷地内で生活していることがあげられます。日課表が附属中と全日制高校と異なることから、普段の生活において一緒に活動する機会は数えるほどしかありません。そこで、中学生も高校生も共通して「学びたい」「知りたい」「スキルを身に付けたい」ものとして、救命救急法と熱中症対策について一緒に学ぶ機会を年に1度計画し、実施しています。参加者は 全日制生徒(各運動部から1名、救命講習班の保健委員12名)と 附属中生徒(各部活動から1名、2学年保健委員6名)です。

 

〇内容〇

 ①救急法実技講習~入門コース~ 90分  指導者:川口市消防局救急課

 ②熱中症の予防と対応 30分  指導者:全日制養護教諭

 ③救急法実技講習~一次救命処置~ 90分  指導者:附属中養護教諭、全日制養護教諭

 ※今年度は①を全日制高校生、②を全日制高校生と附属中生、③を附属中生 に分けて実施しました。

 

 

〔②熱中症の予防と対応〕

 まず、プリントを用いながら以下の内容を全日制養護教諭から学びました。 ※資料一部抜粋

 

 熱中症になってしまう条件や熱中症の予防、熱中症になってしまった人の対応(救助)方法について学びました。熱中症の処置について、当てられて答える場面がありましたが、附属中生は高校生がいる中でも遠慮せず、自信をもって答えることができていました。

 

 

〔③救急法実技講習~一次救命処置~〕

 まず初めに〔②熱中症の予防と対応〕で学んだ知識を実践できるかどうか、試しに全員でシミュレーションしてみました。炎天下の中、部活動で走っていたところ、気持ち悪さと頭痛を訴えて歩行ができなくなった傷病者 という設定です。

 全員が一斉に駆け寄り、知識として学んだことを生かして、わきの下や首に保冷剤を当てたり、うちわであおいだりと、自分ができることを考えながら救助を試みましたが、自信をもって対応することができませんでした。知識として学ぶだけでなく、シミュレーション(実践)してみることの大切さに気付くことができました。最後に指導者から物品を実際に使用した正しい対応方法のレクチャーを受け、実践的に学ぶことができました。

 

 次に、炎天下の中、部活動で走っていたところ倒れてしまって意識や呼吸がない傷病者 という設定でシミュレーションをしてみました。

 

 先ほどレクチャーを受けて学んだことを実践することができていました。しかし、意識や呼吸がないと判断した場合、「心臓マッサージをするのはわかるけど、どこを押せばいいんだろう?」「AEDってやっていいの?」など、対応の判断に迷う声が上がっていました。自信を持った対応ができず、みんな笑顔で「う~ん、わからないね!(学ばないとね!)」と言う気持ちでシミュレーションが終わりました。

(その様子がこちら↓)

 

 

 そして全員が「できるようになりたい!」と言う気持ちを持ちながら、一次救命処置のスキルを実際に動いて、声に出して、何度も何度も繰り返し実践し、学びました。

 

 

 一通りのことを学んだあと、最後にもう1度シミュレーションをしました。胸骨圧迫の質が落ちないように、「強く」「早く」「絶え間なく」を意識して行うことができました。仲間と協力し合い、胸骨圧迫のリレーをつなぎ、AEDの装着も落ち着いてできていました。

 

 

 直接救助をしていない周りの生徒は、救助者の胸骨圧迫のリズムが早くなりすぎないように、手拍子で正しいリズムを誘導したり、傷病者が見えないように背中で壁を作ったりなど、自分にできることを考えて行動することができていました。

 

 

〇参加した生徒の感想〇

 

・部活動代表者として参加してよかったです。倒れている人がいたとき、AEDをつけるまでの手順やなぜそれをするのか、どれくらいすればよいのか詳しく知ることができました。例えば、10秒以内に呼吸の確認をして、自分で呼吸の有無は判断してもよいことや、AEDパットは一回貼ったら剥がさないこと、間をあけずに胸骨圧迫をすることが大切で、人と交代するときの練習までできました。パットは心臓を対角線上に挟んで貼ればよいことも知ることができました。何度も何度も反復練習をすることで、一連の流れを覚えられました。最近は猛暑日が増え、熱中症の危険性が高まっているので、特に部活動時は十分に気を付け、同じ部活の人が熱中症にならないようにするためにも、日ごろから熱中症対策を伝えていきたいと思いました。

 

・熱中症講座では予防方法を再確認し、新たに救急搬送の判断基準も知ることができました。また、人が倒れているときの対応の流れについて、何度も繰り返し練習することができたので、もしものときは一連の流れを思い出せるように、落ち着いて「人が倒れています!」と声を出すところから始めようと思いました。その人の安全だけでなく、まずは自分の安全を守ることが大事ということも改めて考えられました。今回参加して、自信もつけることができたのですが、実践することがないように部活動内で予防を呼び掛けたいと思います。

 

 

 参加者はこの学校保健委員会後、夏休み1番最初の部活動実施日にプリントを用いて「伝達保健指導」を実施しました。参加者は部活動のメンバーに学びを教えることでアウトプットすることでき、また全員で情報を共有する機会となりました。

 

 

 全国的に毎年夏は熱中症による救急搬送が大変多くなっていますので、予防のポイントを確認するとともに、万が一熱中症になってしまった時の応急手当の方法を確認しておきましょう。

 中学2年生は3学期に一次救命処置の知識とスキルを保健体育で学ぶ機会があります。今回参加したメンバー(救命リーダー)が率先して指導に入ります。学べることを楽しみにしていてください。

 

 

10/12(木)【保健委員会】第3回学校保健委員会「心の健康教室(1年生)」

 

本日4・5時間目に大ホールにて1学年を対象に「心の健康教室」がありました。
講師は本校のスクールカウンセラーの田中綾子先生です。

まずは自分のストレスを知るためのワークに取り組みました。自分の気分や感情を書き出し、それによって起こる自分の体の変化やその後の行動を追っていきます。

ところでコーピング(ストレスへの意図的な対処)をご存じでしょうか。
コーピングは、いつでもどこでもできる、自分なりのストレスへの対処法のようなものです。勿論たくさん知っているといいのです。

講義で教わった『おすすめコーピング5』を紹介いたします。
1誰かを頼ること
2イメージ・外在化すること
3自分を労うこと
4自分のいい所を探すこと
5第三者になりきる「フレンドクエスチョン」

学校生活にはストレスが絶対あります。
でも、附属中生にとって最大の武器は「考える力」
これこそがコーピングです。

学校生活を送っていれば、ストレスは誰にでもあります。
むしろ避けることのできない身近にあるからこそ、うまく付き合う(コーピング)方法をたくさん見つけられたらと思います。