07/04(金)【保健委員会】第1回学校保健委員会「食育教室」②~専門家のご講演・体験活動~
こちらの記事は
「07/04(金)【保健委員会】第1回学校保健委員会「食育教室」①~保健委員の発表~」
の続きです。
~専門家のご講演~
テーマ:「中学生の生活習慣や栄養摂取状況が大人になってからの健康に及ぼす影響について」
1年生:~親子で成長期に必要な栄養について考えよう~
2・3年生:~栄養摂取状況調査の結果から考えよう~
埼玉大学教育学部 准教授 西尾尚美 先生を講師にお迎えし、「成長期の食と身体のつながり」を科学的かつわかりやすく解説いただきました。
1.成長期の体の中で何が起こっているのか
中学生の成長は「骨」「筋肉」「血液」「ホルモン」「免疫」「脳」など多方面で進行しており、それぞれの成長に栄養素が深く関わっています。
● 骨の成長
思春期は骨の「貯金」ができる唯一の時期。
この時期に蓄えられたカルシウムは、将来の骨粗しょう症予防に直結。
カルシウムだけでなく、「タンパク質」「ビタミンD」「マグネシウム」「日光浴」も骨づくりには重要。
● 免疫機能のピーク
胸腺が大きく働くのは中学生のうち。
感染症やアレルギーから身を守る力を育てるためにも、日常の食生活が基礎となる。
● ホルモンと性の成長
性ホルモンの材料は「コレステロール」など脂質がベース。
急激な変化に体が追いつかず不調を感じることもあるため、栄養による土台づくりが欠かせない。
● 脳の発達
思春期の脳では、不要な神経回路を削ぎ落とし、必要なものを強化する「選別と整理」が進行。
糖質・脂質・ビタミンB群が神経の維持と情報伝達に不可欠。
2.食事の基礎知識と食品の分類
西尾先生は「栄養素」からだけでなく、「食品」から食事を考える重要性も強調されました。
● 五大栄養素とその働き
炭水化物(糖質):脳と体のエネルギー源
脂質:細胞膜やホルモンの材料、エネルギー源
タンパク質:筋肉・臓器・ホルモン・免疫物質の材料
ビタミン・ミネラル:代謝を助ける、骨や血液の材料
● 六つの食品群で考える食事
体をつくるもと(肉・魚・卵・大豆)
骨や血をつくるもと(牛乳・小魚・海藻・野菜)
エネルギーになるもと(ごはん・パン・油)
調子を整えるもと(緑黄色野菜・果物)
食物繊維・腸内環境の調整(キノコ・こんにゃく)
その他:おやつ・嗜好品(工夫して付き合う)
3.時間栄養学の考え方
「何を食べるか」と同じくらい「いつ食べるか」が重要であるという、**時間栄養学**の視点を紹介してくださりました。
● 朝食の大切さ
体内時計のリセット
血糖値・集中力の安定
朝食を抜くと「夜に食べすぎ」「脂肪が蓄積しやすくなる」
● 夜食・遅い夕食の影響
睡眠の質を下げる
成長ホルモンの分泌が妨げられる
脂肪合成が進みやすい時間帯なので注意
4.間食・完食(補食)の意義
思春期は胃腸の容量とエネルギー消費量のバランスが合わず、3食では足りないこともあるというお話をしてくださりました。
● 正しい間食とは
おにぎり、ナッツ、ゆで卵、乳製品、フルーツなど
「お腹がすく前に」「エネルギーと栄養を補う意識で」
スナック菓子や清涼飲料の取りすぎには注意
5.女子生徒へのアドバイス:鉄分の必要性
生理が始まると鉄分の消費量が大きくなるというお話をしてくださりました。
鉄が不足すると「疲れやすい・集中できない・顔色が悪い」などの症状がでる
レバーや赤身肉、ひじき、小松菜などを意識して取り入れることが大切
吸収を助ける「ビタミンC(野菜・果物)」と一緒に摂取すると効果的
6.保護者へのメッセージと家庭での工夫
子どもたちの興味・意欲は大人の声かけで大きく変わるというお話をしてくださりました。
例えば「今日は何を食べたい?」「おにぎり、持って行く?」といった日常的な対話が、「自分の健康を自分で考える力」につながる
無理に完璧を目指さず、「できることから少しずつ」が長続きのコツ
~体験活動~
保健委員主催の「スプおにプロジェクト」に向けて、親子や近くの教職員や生徒同士で「スープジャー+おにぎりランチ」を考えよう!というテーマで、ワークを行いました。保健委員の食育授業やスープジャー・おにぎり調理実習、本日の西尾先生の講演等で得た学びを大いに生かして、計画を立てました。
今まで使用した授業のプリント、保護者の知恵、GIGA端末の力、周りの人との情報交換で得た情報などから、親子でメニューを考えました。また、教職員も巡回し、母役、父役として生徒にアドバイスをしてもらっている光景も見られました。最後に代表の人数名に考えたものを発表してもらいました。
例)クリームシチュー(スープジャー)と焼肉おにぎり
〇スープとおにぎりの材料は、
・ほうれんそう、牛乳、人参、たまねぎ、鶏肉
・牛肉、焼き肉のたれ、白ご飯
〇工夫点は、
・クリームシチューを野菜具沢山にして、ビタミンがとれるように意識した
・牛乳を摂ることで2群を意識し、カルシウムを摂取できるようにした
・運動をしっかりしているため、筋肉をつけるためにタンパク質を多くとれるように考えた
〇行動計画として、自分で頑張ることは、
・自分で作る
〇家族にお願いしたいことは、
・買い物に行ってもらう
〇一緒に考えた保護者の一言
・このメニューは実現できそう
・炒めるのを手伝いたいと思います
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07/04(金)【保健委員会】第1回学校保健委員会「食育教室」③~参加者の声(感想)~
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