2025年1月の記事一覧
01/17(金)【保健室】埼玉大学連携調査「食物摂取頻度調査」結果返却について
2学期にご協力いただき実施しました、埼玉大学との連携調査「食物摂取頻度調査」の結果が返ってきました。調査を提出された方は1月17日(金)に生徒に結果を返却しています。ご家庭で内容をご確認ください。
〇埼玉大学教育学部学校保健学講座 准教授 西尾 尚美 先生
免疫学を専門とされており、医学部での研究を経て、予防医学の観点から栄養学の重要性を認識されました。そのため、管理栄養士の資格も取得され、現在は免疫学と栄養学の両方の点から研究を行っていらっしゃいます。
本校で実施している特別活動「食育授業」のご助言や、学校保健委員会「食育教室」の講師をお引き受けいただいており、本校と連携して3年目を迎えています。
07/18(木)【保健委員会】第1回学校保健委員会「食育教室(全学年)」リンク先はこちら
西尾 尚美先生より
調査に参加頂いた 川口市立高等学校附属中学校 生徒、ご父兄の皆様へ
この度は調査に参加頂きましてありがとうございました。今回お示ししていますエネルギー・栄養摂取量は、生徒さんの成長と発達学に必要と考える重要なものを表示しました。これらの栄養素についてご説明し、生徒さんそれぞれにコメントをつけさせて頂きました。皆さまの今後の健康づくりのご参考にして頂ければ幸いです。
調査結果に基づいて、一人ひとり丁寧にコメントを頂いております。
★栄養指標★
①エネルギー(摂取カロリー)
②たんぱく質・脂質・炭水化物(3大栄養素)
特に糖(炭水化物)は脳のエネルギー源です。受験に向けて、適正量をとるようにしましょう。試験前には緊張で胃腸の活動が低下します。胃を動かさなくても糖を吸収できる口どけの良い甘いものの摂取がお薦めです。
③食物繊維(野菜類摂取の指標)
近年では腸の健康が脳機能に影響することが報告されています。腸が健康であれば、脳機能も向上するといわれていますので、食物繊維をしっかりとって腸を活性化させましょう。
④カルシウム・リン・ビタミン D(骨、筋、神経伝達に重要)
カルシウムは骨だけでなく、神経細胞のシナプスにおける情報伝達にも非常に重要です。ビタミン D はカルシウムの吸収促進に重要なビタミンです。そして、加工食品やインスタント食品に多く含まれるリンの過剰摂取はカルシウム吸収抑制に働きます。この3つのミネラルとビタミンはバランスよく摂取しましょう。
⑤鉄(貧血に影響)
中学生の貧血の原因の多くは鉄の摂取不足と言われています。貧血になると赤血球の数が減り、多くの酸素を運ぶことができなくなります。脳の活動には多くの酸素が必要です。鉄分はしっかり摂取しましょう。
⑥亜鉛(免疫機能に重要)
食品から摂取する亜鉛は体内で多くの役割を持っています。亜鉛欠乏は味覚障害を引き起こすことで有名ですが、免疫機能や細胞増殖、成長にも関係するミネラルです。
⑦レチノール(ビタミン A:視覚に重要)
視覚細胞の構成成分です。受験期は目を酷使しますので、適正量の摂取を心がけましょう。
⑧ビタミン C(疲労、生体ストレス回避に重要)
免疫機能を高め、風邪をひきにくくします。また、抗酸化作用があるので、ストレスによって体内に発生する活性酸素を除去する役割も果たします。ストレスフルな受験期には積極的な摂取をお薦めします。このビタミンについては水溶性のビタミンですので、取りすぎても尿で排出されるので心配ありません。ビタミン C については、健康であれば、ビタミン C 添加のサプリメントや健康食品を利用することにも問題ありません。
⑨n-3 系多価不飽和脂肪酸(DHA,EPA など脳神経に重要)
魚油や種子に含まれる脂質で、脳が正常に働くために必要な栄養素です。認知機能の改善についても科学的な根拠が報告されています。お受験期には積極的な摂取を心がけましょう。
食事バランスガイドにそって結果が示されています。体格に合わせた食品群別摂取目安量(適正量)と自分が摂取できている量(摂取量)を表やグラフで示しています。
身体活動の状況と1日の摂取エネルギーと消費エネルギーの比較を示しています。
成績表についてのご質問は埼玉大学 西尾先生までお願い致します。ご連絡の際は「附属中学校栄養調査について」とお伝え下さい。
今年度の本校の食育に関する取り組みは以上となります。来年度も本校の実態に沿った内容で食育を行ってまいります。引き続き、ご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。