07/18(木)【保健委員会】第2回学校保健委員会「中高合同救急法講習会(2年保健委員+部活動代表者)」
本校の特色の1つとして、高校生と一緒の敷地内で生活していることがあげられます。日課表が附属中と全日制高校と異なることから、普段の生活において一緒に活動する機会は数えるほどしかありません。そこで、中学生も高校生も共通して「学びたい」「知りたい」「スキルを身に付けたい」ものとして、救命救急法と熱中症対策について一緒に学ぶ機会を年に1度計画し、実施しています。参加者は 全日制生徒(各運動部から1名、救命講習班の保健委員12名)と 附属中生徒(各部活動から1名、2学年保健委員6名)です。
〇内容〇
①救急法実技講習~入門コース~ 90分 指導者:川口市消防局救急課
②熱中症の予防と対応 30分 指導者:全日制養護教諭
③救急法実技講習~一次救命処置~ 90分 指導者:附属中養護教諭、全日制養護教諭
※今年度は①を全日制高校生、②を全日制高校生と附属中生、③を附属中生 に分けて実施しました。
〔②熱中症の予防と対応〕
まず、プリントを用いながら以下の内容を全日制養護教諭から学びました。 ※資料一部抜粋
熱中症になってしまう条件や熱中症の予防、熱中症になってしまった人の対応(救助)方法について学びました。熱中症の処置について、当てられて答える場面がありましたが、附属中生は高校生がいる中でも遠慮せず、自信をもって答えることができていました。
〔③救急法実技講習~一次救命処置~〕
まず初めに〔②熱中症の予防と対応〕で学んだ知識を実践できるかどうか、試しに全員でシミュレーションしてみました。炎天下の中、部活動で走っていたところ、気持ち悪さと頭痛を訴えて歩行ができなくなった傷病者 という設定です。
全員が一斉に駆け寄り、知識として学んだことを生かして、わきの下や首に保冷剤を当てたり、うちわであおいだりと、自分ができることを考えながら救助を試みましたが、自信をもって対応することができませんでした。知識として学ぶだけでなく、シミュレーション(実践)してみることの大切さに気付くことができました。最後に指導者から物品を実際に使用した正しい対応方法のレクチャーを受け、実践的に学ぶことができました。
次に、炎天下の中、部活動で走っていたところ倒れてしまって意識や呼吸がない傷病者 という設定でシミュレーションをしてみました。
先ほどレクチャーを受けて学んだことを実践することができていました。しかし、意識や呼吸がないと判断した場合、「心臓マッサージをするのはわかるけど、どこを押せばいいんだろう?」「AEDってやっていいの?」など、対応の判断に迷う声が上がっていました。自信を持った対応ができず、みんな笑顔で「う~ん、わからないね!(学ばないとね!)」と言う気持ちでシミュレーションが終わりました。
(その様子がこちら↓)
そして全員が「できるようになりたい!」と言う気持ちを持ちながら、一次救命処置のスキルを実際に動いて、声に出して、何度も何度も繰り返し実践し、学びました。
一通りのことを学んだあと、最後にもう1度シミュレーションをしました。胸骨圧迫の質が落ちないように、「強く」「早く」「絶え間なく」を意識して行うことができました。仲間と協力し合い、胸骨圧迫のリレーをつなぎ、AEDの装着も落ち着いてできていました。
直接救助をしていない周りの生徒は、救助者の胸骨圧迫のリズムが早くなりすぎないように、手拍子で正しいリズムを誘導したり、傷病者が見えないように背中で壁を作ったりなど、自分にできることを考えて行動することができていました。
〇参加した生徒の感想〇
・部活動代表者として参加してよかったです。倒れている人がいたとき、AEDをつけるまでの手順やなぜそれをするのか、どれくらいすればよいのか詳しく知ることができました。例えば、10秒以内に呼吸の確認をして、自分で呼吸の有無は判断してもよいことや、AEDパットは一回貼ったら剥がさないこと、間をあけずに胸骨圧迫をすることが大切で、人と交代するときの練習までできました。パットは心臓を対角線上に挟んで貼ればよいことも知ることができました。何度も何度も反復練習をすることで、一連の流れを覚えられました。最近は猛暑日が増え、熱中症の危険性が高まっているので、特に部活動時は十分に気を付け、同じ部活の人が熱中症にならないようにするためにも、日ごろから熱中症対策を伝えていきたいと思いました。
・熱中症講座では予防方法を再確認し、新たに救急搬送の判断基準も知ることができました。また、人が倒れているときの対応の流れについて、何度も繰り返し練習することができたので、もしものときは一連の流れを思い出せるように、落ち着いて「人が倒れています!」と声を出すところから始めようと思いました。その人の安全だけでなく、まずは自分の安全を守ることが大事ということも改めて考えられました。今回参加して、自信もつけることができたのですが、実践することがないように部活動内で予防を呼び掛けたいと思います。
参加者はこの学校保健委員会後、夏休み1番最初の部活動実施日にプリントを用いて「伝達保健指導」を実施しました。参加者は部活動のメンバーに学びを教えることでアウトプットすることでき、また全員で情報を共有する機会となりました。
全国的に毎年夏は熱中症による救急搬送が大変多くなっていますので、予防のポイントを確認するとともに、万が一熱中症になってしまった時の応急手当の方法を確認しておきましょう。
中学2年生は3学期に一次救命処置の知識とスキルを保健体育で学ぶ機会があります。今回参加したメンバー(救命リーダー)が率先して指導に入ります。学べることを楽しみにしていてください。